山梨県北杜市で有機農業に取り組む株式会社ファーマンと粋農は、農業現場の仕事を無理なく記録し、その記録を教育や業務改善、農業の価値づくりへつなげる共同プロジェクトを進めています。
出発点は、現場で働く人に新しい入力作業を増やすことではありません。日々の農作業の中で自然に記録が残り、必要な人へ知識が伝わり、次の判断に活かせる状態をどうつくるか。FARMANの現場で実際に試しながら、一つずつ形にしています。
FARMANと粋農が、いま取り組んでいること
作業計測アプリを、現場で使える形へ
作業開始・休憩・終了、圃場や作業内容ごとの時間を記録する作業計測アプリを、少人数・少数端末から試しています。
現地では、画面の分かりやすさ、端末や通信環境、多言語表示などを確認。作った機能をそのまま渡すのではなく、現場で使いにくい点を拾い、実際の作業に合う運用へ調整しています。
動画マニュアルで、作業の知識を共有する
作業手順や注意点を動画で確認し、視聴後に理解度テストへ進める動画マニュアルも試用しています。
管理者は、誰がどのマニュアルを受講したか、テストの合否や受験状況を確認できます。教える人によって内容が変わる状態から、働く人が必要なときに同じ内容を何度でも学べる状態への移行を目指しています。
イヤホンへの音声入力で、作業を止めずに記録する
次の取り組みとして、農作業中にイヤホンへ話しかけるだけで、作業開始・終了、休憩、作業内容の切り替え、圃場単位の情報などを残せる仕組みを検証しています。
目指しているのは、「記録のために農作業を止める」ことをなくすことです。スマートフォンを何度も操作しなくても、いつもの作業の中で自然にデータが蓄積される形をつくろうとしています。
共同で進めるからこそ、できること
農業現場に合う仕組みは、机上だけではつくれません。FARMANの現場で実際に使い、働く人の反応を確認し、使いにくい点を改善する。その繰り返しが必要です。
導入当初はアプリを開くことに不安を感じていたスタッフが、数日後には自分からアプリを開いたという変化もありました。これは完成したツールを納品した結果ではなく、現場と一緒に小さく試したから生まれた変化です。
FARMANが持つ有機農業の現場と、粋農が持つ作業記録・教育・人材育成の仕組みづくり。その両方を組み合わせることで、農業法人が本当に使い続けられる形を検証できます。
この先、目指していること
記録を、作業改善につなげる
作業時間や作業内容が自然に残るようになれば、どの作業に時間がかかっているか、どこで負担が偏っているかを確認できます。感覚だけでは見えにくかった現場の状態を、次の作業計画や改善に活かせるようになります。
記録を、人材育成と技術継承につなげる
作業記録と動画マニュアルを組み合わせることで、何を学び、どの作業を経験し、どこまでできるようになったかを捉えやすくなります。
将来的には、一人ひとりの経験や成長を、教育計画、スキルの確認、役割や評価へつなげることもできます。熟練者の知識を動画やデータとして残すことは、次に働く人への技術継承にもつながります。
記録を、有機農業の価値を伝える材料にする
有機農業では、土づくり、除草、品質管理など、商品だけを見ても伝わりにくい仕事が積み重なっています。
現場の記録が蓄積されれば、どのような手間や技術が農産物を支えているのかを説明できるようになります。作業データを、管理のためだけでなく、有機農業の価値を伝え、価格や販路、地域の評価へつなげる材料にしていくことも、FARMANと粋農が見据えている未来です。
現場で生まれた仕組みを、ほかの農業法人にも広げる
FARMANの現場で検証した方法を、同じように記録、教育、人材育成に課題を持つ農業法人へ展開していくこともできます。
一つの農場だけで完結する仕組みではなく、農業界全体が人を育て、仕事の価値を伝えられる基盤へ。FARMANとの共同プロジェクトは、そのための実践の場でもあります。
入力のための入力を、なくしていく
データを集めること自体が目的ではありません。
現場の仕事を止めずに記録が残ること。教える人と学ぶ人の双方が使えること。蓄積した記録が、作業改善、人材育成、技術継承、有機農業の価値づくりへつながること。
FARMANと粋農は、農業現場で本当に使える方法を一緒に試しながら、日々の仕事が未来の資産になる仕組みをつくっていきます。
会社情報
株式会社ファーマン
山梨県北杜市を拠点に、有機農業に取り組む農業法人。農産物の生産に加え、農業体験、農福連携、企業との連携など、農業を軸に幅広い活動を展開しています。
農業現場の記録と教育を、一緒に仕組みにしませんか
粋農は、農業法人の作業記録、動画マニュアル、人材育成、人事評価など、現場と経営をつなぐ仕組みづくりを支援しています。

